敬友会 治療について

- 治療について(小児歯科) - ラバーダム

ラバーダム

ラバーダム

小児歯科専門医では必須のアイテム、ラバーダム。正しい名称はラバーダム防湿です。簡単に言えば、使い捨てのゴムのマスクです。

お子様の口の中は、まるでお風呂場のような環境です。湿気が多く濡れています。そして、歯はお風呂場の窓ガラスの様なもの。お風呂場の窓ガラスに、何かをセロテープで貼ることを想像してください。念入りにタオルで拭いて貼っても、すぐに外れてしまいませんか?

子供の歯の治療も同じです。軽度の虫歯の場合には、虫歯になってしまった部分を削り取り、そこに接着剤でコンポジットレジンと言うプラスチックの素材を詰めて治す事が多いのです。その際に湿気を排除すると事が非常に大事なのです。その様にしないと詰め物が直ぐに外れてしまいます。

又、唾液の事も考えておかなければなりません。子供の場合は小さなお口の中に唾液が分泌しますので、直ぐに唾液で一杯になってしまいます。 つまり、ラバーダムをしないで治療をすると唾液が詰めようとしている歯に接触してしまいます。湿気でも接着を妨げる訳ですから、液体が存在したいた場合には、強固な接着はできないのです。つまり、この唾液の侵入も詰めたプラスチックが直ぐに外れてしまう原因になるのです。

又、歯の間に虫歯が有る場合、乳歯は永久歯と違い歯の高さがあまりありません。よって歯肉のそばに虫歯が出来てしまうのです。歯肉のそばの虫歯は非常に厄介なのです。歯肉に少しでも歯を削る道具が触れると、出血をしてしまいます。その血液が虫歯を削った部分に入り込むとどうでしょうか。これは湿気どころではなく、唾液と同様にプラスチックは歯と接着をしないような事になってしまいます。ラバーダムをしますと、歯と歯の間の歯茎をやや圧迫して出血を防ぐ作用があります。そうする事により、歯茎と歯茎の間の虫歯を取り残すこと無く、更に出血させないで削る事ができるのです。

いずれにしても、小児歯科の治療においては、必須のアイテムと言えます。この他に、成人の歯科では、根管治療と言う根の治療にも用います。

欠点も有ります。歯にクランプと言うステンレス製の金具でゴムのシートを固定しますので、ほぼ麻酔が必要になってきます。 また、クランプが多少歯肉を圧迫するので、術後違和感があります。

ただ、この様な違和感も一過性ですので、確実な治療の事を考えた場合、小児歯科治療にはラバーダムは必須だと考えています。

そして、ラバーダムをした場合に、その中で嘔吐をした場合、直ぐに外して口腔外に出す必要がありますので、必ずスタッフが付き添っている事が大事です。当院では小児歯科専門医としてこの点には、とても注意しておりますので、ご安心くださいませ。

ラバーダム防湿は、以前は保険診療の報酬が有りましたが、現在は、無くなってしまいました。 しかし、診療上どうしても必要ですので、ラバーダムを使用しての治療を行いますが、特別な負担はございません。

敬友会 ページトップへ