初診時 20代女性
9年前に来院されて上顎前歯の根管治療を2回うけられた患者さん。9年後に親知らずの精査の為にCTを撮影。この部分も映っていたので見てみると、根尖病変は完全に治癒をしており、再発も全く見られない。この部分の根管治療は、根尖病変が生じており抜歯をされてしまっているケースが多い。この患者さんにしてみれば、全く症状がなかったので根管治療におけるトラブルの事など知る由もないが、私たち歯科医師からすると非常に自信が持てるケースでもある。
9年前に来院されて上顎前歯の根管治療を2回うけられた患者さん。9年後に親知らずの精査の為にCTを撮影。この部分も映っていたので見てみると、根尖病変は完全に治癒をしており、再発も全く見られない。この部分の根管治療は、根尖病変が生じており抜歯をされてしまっているケースが多い。この患者さんにしてみれば、全く症状がなかったので根管治療におけるトラブルの事など知る由もないが、私たち歯科医師からすると非常に自信が持てるケースでもある。
赤く囲んである部分が根の先端。そこが黒くなっています。これは本来ならば無ければならない骨が溶けてしまっているのです。わずか2回のスーパー根管治療に準ずる方法の治療を9年前にしておりました。最近、偶然にもCTを撮影する機会があり、この部分を見てみると、骨は完全に再生しておりました。今後も問題なく使えるでしょう。根管治療で半年通った挙句に抜歯。その様な話もよく聞きます。これは明らかに技術の差なのです。根管治療は問題が起こってからその重要性に気が付かされるのです。
左上が腫れてもの凄く痛いと来院。歯科用CBCTを撮影すると、左上の第一大臼歯に相当する上顎洞は粘液が貯留している様な白濁をした映像が観察された。又、上顎洞の側面の骨も丸く吸収してしまっていた。明らかに重篤な歯性上顎洞炎である。通常はこの様な場合、抜歯が普通である。しかし、抜歯をした後を考えると非常に恐ろしい。この歯の根の先から上顎洞にかけて骨が全くなく、上顎洞内は粘液が貯留している状態なので、抜歯をした場合、抜歯をした穴の自然閉鎖が起こらず、口の中と上顎洞が交通してしまう口腔上顎洞瘻を作ってしまう場合が多い。そうすると今度は、耳鼻科で上顎洞根治術と言う手術の必要性が出てくる。そして抜歯をした部分に骨を作る手術も必要になる場合が多い。そして上顎洞が治ったとしても歯がない部分をどうするか?当然インプラントは行いにくく、ブリッジや義歯での治療が必要になる。よっていちかばちかでスーパー根管治療を行った。根管治療は2回。1週間後には根管充填を行った。1週間程度は腫れが有ったが、徐々に腫れは収まった。そして3か月後のCBCTでは上顎洞内の炎症はかなり改善をした。歯に関しては痛みも全くなく、普通に咬めるようになったので、被せものをして経過観察をしている。又、根管充填も周囲に炎症が有る時期に行っているが、現在の根管治療の常識からすると大きく非常識。しかし、しっかり根管充填をすれば、生体は異物としての認定を解除するので、速やかに治ってゆくのを証明した症例。
左上の歯の周囲がパンパンに腫れて来院された患者さん。歯科常識では抜歯が普通です。しかし抜歯をしてしまうと耳鼻科に入院が必要な状態になってしまうパターンでした。スーパー根管治療でそれを回避できました。3か月した現在では、なんともなく咬めて食事ができています。上顎洞なもかなり改善をしていますが、更なる経過観察をして行きたいと思います。
当院では、レントゲンで根の先に影が有っても、症状がなければ経過観察としている。この症例は、当初の経過観察中は根尖病変の変化はあまりなかったが、急に大きくなり症状も出てきた症例。歯根破折も考えられたが、K.SRCTにより治療。治療回数は1回であるが、10か月後には根の先に骨の回復が見られた症例。
歯科医院に行ってレントゲンを撮られて根の先に黒い部分があると、根の先に膿が溜まってますから治療が必要だと言われると思います。それは本当でしょうか。確かに慢性的な炎症は有るのですが、膿が溜まっている様になれば症状は有るはずです。ですから膿が溜まっていると言う表現は不適切だと考えています。それではその状態の歯を直ぐに治療をする必要が有るのでしょうか?当院では経過観察とします。それは、この様な根尖病変と言われる病変も、経過を見ていると全く症状も無く、レントゲンでも変化の無い場合があるからです。その様な状態で、治療を始めるとK.SRCT法を使っても数%は上手くゆかない場合が有るからです。
この症例は、経過観察をしていましたが、根尖病変が拡大して症状が出てきてしまった為に、K.SRCT法で治療をした症例です。根尖病変の大きさに関係なく治っているのがお分かりだと思います。根の先に影があったりしても直ぐに治療をする必要は無く、的確な治療をすれば治る事がお分かり頂けると思います。
左上の一番奥の歯で咬むと痛いと来院。歯科用CBCTを撮影すると、左上第二大臼歯の根尖部付近の透過増が著明であった。又、上顎洞内もかなり広範囲に不透過像が認められた。2年4か月後のCTでは、上顎洞の中の不透過像は全く無くなり、根尖部付近にも骨が再生されている事が観察された。
この症例集にも多く示している根の先に骨がなくなっているパターンです。歯の中の神経(歯髄)が生きていれば、絶対にこの様な事はありません。しかし、神経が死んでしまい放置しておいたり、治療が良くないと、割と簡単に根の先の骨は溶けてしまいます。そして、この歯のように副鼻腔が近いと、その中にも炎症を及ぼし、蓄膿症の様な症状が出る場合があります。スーパー根管治療ではこの様なケースでも2回の治療で治癒をしています。
医科でCTを撮影し、偶然に左上の歯の根の先に嚢胞を発見された。そして、歯科大学を受診。抜歯しか無いと言われた為にびっくり仰天。なんの症状も無いのに、なぜ抜く必要があるのかと疑問に持ったそうだ。そして、当院来院。当然、この様な根尖部の透過像は9割方はスーパー根管治療で治ると説明。治療は2回で終了。半年後のCTではかなり骨も回復してきている。当然、何の症状もない。この様なレントゲン像で抜歯なら、かなりの歯が抜かれているのであろうと推察された。
歯科大学に受診をしたら、抜歯しか無いと言われた例です。この大学は知らないわけでは無いのですが、歯科大学の治療水準などは、こんなもんだと思えてなららないのです。この患者さんは大学での診断にも疑問を持たれたので、良かったですが、疑問を持たない人は確実に抜歯をされてインプラントになったのでしょう。この様なレントゲン像なら、9割以上は治ります。なぜならば、この歯は未だ、根管治療を1回もされていないからです。根の先の影の大きさは関係ありません。
半年経過後の写真ですので、未だ骨の再生は半ばです。数年したらもっと骨はできていると思います。
紹介状を持参されての来院。かなり遠くから来院。紹介状には「骨吸収も進んでいますので、抜歯を勧めましたが。。」との記載があった。しかし、この患者さんは、当然、抜歯は嫌なので、ネットで色々調べて、当院に紹介状を書いてもらっての来院。症例35と同じで、根管治療は過去に行っておらず、歯髄の壊死だけで根尖部に透過像ができているだけと診断。スーパー根管治療2回にて治療を終了。半年後のレントゲンでは、骨の再生が確認された。
歯の中の神経(歯髄)が死んでしまうと、根の先の骨が溶けてしまうのは良くあります。この様なケース、特に、一度も根管治療をされておらず、ただ、神経が死んでしまっているだけのケースは、根の先の骨の溶け具合と関係なく、スーパー根管治療では9割程度で治癒をします。この患者さんには遠くから来院されても、数回の通院で抜歯は回避できたのは、この患者さんの人生にとって相当に貢献できたと思いました。
金属床義歯が下顎に装着されていた。その下顎前歯の舌側歯肉が義歯に当たって痛くなってきたのが主訴。何か硬い食材でも噛んで一時的に傷が出来たのだと考え義歯を調整。しかし、治癒しない。デンタルを撮ってみると、なんと下顎前歯の根尖に大きな透過像が見えた。と言う事は歯肉が腫れて義歯に当たってる事と判明。根管治療をおこなった。治療回数1回。治療後、速やかに症状は消失した。8ヶ月後のデンタルレントゲンでは、根尖部に骨の回復が見られた。尚、この間にレントゲンのCCDセンサーが故障し他社のCCDに交換している為に、写り方が違うのをお断りしておく。
長年、当院にいらっしゃって頂いている患者さん。一部、金属で作った入れ歯が下顎に入っています。その金属に歯茎が当たって痛いと来院されました。最初は、何か硬いものを食べて、一時的に擦れて痛いのだと解釈をして義歯の調整をしました。しかし、収まらない為に、レントゲンを撮ってみました。すると、対応する歯の根の先に大きな骨のない部分が見えました。結局ここに細菌感染を起こして、歯肉が腫れている事が判明。よって、根管治療をしました。1回で終了。その後、全く症状は消えました。そして8ヶ月経った段階では、骨の再生も見られました。
左下の奥が腫れて痛い。この方は他医院で、臼歯部にジルコニアを多数入れた患者さん。専門的には、形成量がやたらに多く、当然ながら、歯髄壊死になっていたケース。しかし下顎7の遠心には、ポケットが有る場合も多く、歯周炎と鑑別が必要になった。しかし、根尖部に丸い透過像が有ったので、根尖病変と診断をして根管治療を行った。CBCT(歯科用CT)によると、樋状根であり、透過像は根尖部遠心に有るために、そこにメインの根尖孔が有る事が予想された。しかし、そこの根尖孔に根管充填を成功させるのに苦労をした症例。ただ、別件で4ヵ月後に撮ったCBCTでは、根尖部の透過像はかなり治っていた。
神経が有る歯にセラミックを被せる場合、冠の厚みを取る為に歯を削りすぎてしまうと、いつの間にか、神経が死んでしまう事があります。そんなケースでした。来院理由は、左下の奥の歯茎が腫れたとの事でした。最初は、歯周炎かと思ったのですが、歯科用CBCT(歯科用のCT)を撮影してみると、歯髄の壊死だと判明しました。しかし、根管治療は、奥歯になればなるほど、見えづらく、手も入りにくいです。又、根管の形態も雨どいの様な特殊な形態をしていまいた。よって、根の先の根尖孔を詰めるのに、苦労しました。しかし、幸いなことに4ヵ月後に、別件で撮影したCBCTでは、かなり骨が再生しているのが、確認できました。
下の、画像でうが、模式図の方で根の先の赤い部分が根尖病変です。それが、4ヵ月後には縮小しているのがお分かり頂けると思います。
K.SRCT法に関しては、書籍にてテクニックを全て公開しています。専門書です。アマゾン等でお求めください。
「K.SRCT 久保倉式根管治療」
K.SRCT法研修会(歯科医師向け)は、2020/3/22 白水貿易東京支店で開催されます。下記より申し込み下さい。
http://www.hakusui-trading.co.jp/seminar/detail.php?sid=353&
根管治療をうけたが違和感が治らない。耳鼻科に受診をしたら蓄膿なので手術が必要と言われた。そして、手術予約までした。しかし、スーパー根管治療のHPを見て来院された。歯科用CTを撮影した結果、上顎の奥歯が原因と思われるので、先ずは、根管治療が先決と診断。特に、上顎近心頬側根の第二根管に根管治療が成されていないのも大きな原因と思われた。そして、根管治療を行ったら、症状も全く無くなり、半年後の歯科用CTでも骨が再生されたのが確認された。当然、耳鼻科の手術は受けなくて済んだ症例
左上の奥歯の根管治療を受けたのですが、違和感がとれないので大病院の耳鼻科を受診。すると蓄膿症の為に手術が必要と説明を受けました。そして手術予約までされたのですが、当院のHPを見て来院されました。歯科用のCTを撮影すると、例え、歯が関係しなくても、手術適応なほど炎症がありませんでした。また、明らかにこの蓄膿症は歯が原因と思われましたので、根管治療を行いました。半年後の確認では、症状も全くなくなりレントゲンでも改善が確認できました。耳鼻科の上顎洞根治術を受けた場合、痛いですし、術後に問題が無いわけでは無いので、よかったと思います。