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歯科用マイクロスコープ

歯科用マイクロスコープ(歯科用実体顕微鏡)

当院でのマイクロスコープの使用

当院でのマイクロスコープの使用は2007年からです。そして、現在では11台の診療ユニットに11台のツァイス社製のマイクロスコープを設置してあります。

当院では、これで歯を見て診療するのが普通の診療スタイルです。肉眼での診療は殆ど行っておりません。歯科医師全てが常時使用します。

又、2階メンテナンスルームでも歯科衛生士がメインテナンス(定期健診)の際に使用します。

マイクロスコープの使用は保険診療、自費診療(保険適応外診療)も区別しません。子供(小児歯科)、大人の区別も無く使用します。そして、マイクロスコープ使用料の様な特別な費用は一切かかりません。

マイクロスコープは手術用顕微鏡を歯科用に改良したものです。一般的には精密根管治療として歯の根の中の治療に使われるイメージが有ると思いますが、虫歯治療や被せ物の治療にも欠かせません。これを使わないと、治療精度がどうしても落ちてしまいます。又,歯科衛生士が歯周病治療の一環として歯石を取ったり、歯を研磨するのにも非常に有用です。そして、メインテナンスの時に口の中をチェックした場合、虫歯の見落としが大幅に減ります。

マイクロスコープの特徴

歯科用のライトは明るいのですが、どうしても歯科医師の頭の外側からしか、見たい部分に照らす事しかできません。よって、管の底の様な場所の場合は、暗くなり、はっきり見えないのです。この状態が根の治療である、根管治療の場合に似ています。マイクロスコープを使わないと根の中が暗くて見えないのです。

昔、お医者さんと言えば、頭の前に丸い鏡を付けていたのをご存知ですか?額帯鏡と言います。
これはその鏡に前から光を当てて、その真ん中に開いた穴から見るのです。これに関しては、拡大はされませんが、陰が出来る事はありません。しかし、現在、歯科医師で使っている人は居ないでしょう。

マイクロスコープの原理としては、管の底に置いてある物体に対して、直接光を当て、その光源の直ぐ上部から、プリズムを介して見ます。よって影が無い映像を見る事ができます。

そして、レンズが鏡筒内に入っており拡大して見ることが出来ます。つまり、影が無く、拡大をして見る事ができますので、根管治療のみならず、セラミックで被せるような治療の場合も必須となります。セラミックはセラミックの厚みを厳密に守る必要があるからです。そして、レーザーを使って歯周病の治療を行う場合も照射場所を厳密に守る上で必須です。

そして、マイクロスコープで大事なのは、鏡筒本体を支えているアームです。ツァイス社製はこのアームのブレが有りません。サッと動いて、ピタッと止まるのです。

倍率について

顕微鏡と言っても、細菌の様な目に見えない物を見るわけでは無く、2~24倍程度に拡大して見る拡大鏡です。

2倍と言うと、2倍の情報しかないかと考えがちですが、実は2倍ですと縦と横に2倍ですから4倍の情報量、同じように4倍ですと16倍の情報量、8倍になると64倍の情容量です。

小さい器具が使えるので肉眼よりはるかに歯を削る量が少なくてすみます。当然、専用のマイクロスコープ用の歯を削るドリルを使います。通常の歯科医院で使っている物よりはるかに小さいです。

細かく見える事により、レジン充填と言う、プラスチックを詰める事により治療が可能になる場合が多く銀歯になる確率は大幅に下がります。

この様に見えています。

小さいドリルで虫歯を削ります。

根管内(歯の根の中)もばっちり見えます。

治療の映像をお見せする事が出来ます。

当院の11台のマイクロスコープには、全てビデオカメラが取り付けてられています。そして治療の様子を簡単にパソコンに取り込み録画をする事ができます。それを、診療後に再生して説明をいたします。

実際に何処に虫歯が有ったのか、そしてどんな状況だったのか、又、歯にヒビが入っていた場合はその部分を映像として見て頂けます。そして、通常のプラスチックを詰めるような治療も、動画で治療結果をお見せいたします。

あなたは、自分の歯科治療を受けている動画で説明を受けた事がありますか?紙と鉛筆で書かれた説明ではお分かり頂けないと思います。

利点&欠点

利点 欠点
大きく見えるので精密治療ができる。
歯を削る量を少なくできる。
治療の様子を動画で録画できるので、説明がしやすい。
治療時間が短時間で終わる。
術者が患者さんに近づかないので、患者さんからすれば圧迫感がない。
麻酔が痛くなくなる。(針先を見る事による)
※術者の首の痛みが軽減される。
習熟が必要で最低3ヶ月はかかる。
肉眼の様に2つの眼では見ないので、凹凸が見えにくい。
患者さん自身が治療の際に顔を横に向けてもらう場合が有る
拡大した歯を見るので視野が狭くなる。よって歯ばかりを見る事になり、患者さんの顔を覚えにくい

番外

テレビで見ましたので、鉛筆彫刻をしてみました。
この細かいレベルでの歯科治療を提供できるのが、マイクロスコープを用いた歯科治療です。

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