敬友会 治療について

- 治療について - 口腔顔面痛

口腔顔面痛

歯痛だと思って、色々な治療を受けても、痛みがなくならない場合、歯が原因ではない場合があります。

1.筋肉、筋膜由来の歯痛(筋、筋膜性歯痛)

筋肉を触診すると、歯が痛むと感じるポイント(トリガーポイント)が有る。
この場合、いくら歯を治しても、良くはならない。 トリガーポイントと筋肉の部位は解明されています。

上顎前歯部—–側頭筋前部
下顎前歯部—–顎二腹筋前腹
下顎臼歯部—–咬筋浅層下部
上顎臼歯部—–側頭筋中央部、後部 または咬筋浅層上部

診断は簡単で、そこの筋肉を押して歯が痛むかを調べます。治療は、そのトリガーポイント内に、0.2CC程度の歯科用の局所麻酔薬を注入するだけで治癒します。(トリガーポイント注射)但し、トリガーポイントは範囲が狭いので、ヒットするまでは1週間に1度程度で何回も注入する必要があるとされています。又、この方法は、薬剤の効果と言うより、針を刺す事による効果が大きいとされています。(鍼灸治療類似)

2.神経血管由来の歯痛

頭痛でも歯痛と勘違いする事が有る。その頭痛には片頭痛と、群発頭痛が有り、群発頭痛は上顎最後臼歯部の激しい疼痛として発現するために、親知らずを抜歯されたりするケースが多いそうだ。
群発頭痛の症状は、男性に多く、同じ季節や同じ周期などの規則性がある。そして痛みは激痛で流涙、鼻つまり、鼻漏等が伴う事が多いそうだ。 あともう一つ、側頭動脈炎と言うのがあり、顎関節症に症状が似ているが、早期に神経内科等を受診しなければなりません。
よく見ると血管が怒張していたり発赤等の炎症症状が見られる。但し、若い人には起こりにくい。

3.神経原性疼痛

痛みが発作的に起こる場合

三叉神経痛と舌咽神経痛の場合にも、時に歯痛と感じる事がある。 普通にしていても歯が痛いのに、全く病変の無い歯の場合、三叉神経痛もありえる。 叉、飲食を拒否する位の顎の痛みの場合は、顎関節症では無くて、舌咽神経痛の場合がある。どちらもテグレトールと言う薬が有効。しかし、腫瘍に関連した場合も10%は有るので神経内科や脳外科も受診する必要がある。

痛みが持続して有る場合

視床痛 (脳卒中の後などに生じる。)ずーーっと痛い歯痛。抜歯も根管治療も当然に無効。

4.上顎洞由来

上顎の奥歯の根の上には、上顎洞と言う空洞が有り、そこに炎症が起こると、歯が痛いと感じる事が多い。 上顎の奥歯でかむと痛いが、虫歯等が無いときは考えられる。
これはとてもポピュラーで風邪をひいたときなどに多いです。歯が痛いと言うより上の歯の上の方が痛いと言われます。診断は比較的簡単で、レントゲンを撮ってみて上顎洞内のくもり具合を見ればだいたいは見当がつきますが、頭のてっぺんを地面に向ける様な体位にすると頬のあたりがズキンとしたり重苦しい感じが有るのも重要なサインです。
当然に耳鼻科も受診する必要があります。

5.心因性

心因性からくる歯痛もあります。

6.癌や肉腫による場合

上顎の歯の根の先に有る、上顎洞に癌が生じた場合等には、当然、歯が痛い場合が多い。
あと、他の部位の癌が脳に転移した場合も、歯が痛いと感じる場合もある。 CTレントゲンを撮ってみれば直ぐにわかります。

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