厚生労働省の調査報告によりますと、歯科医院は全国で約68,000ほどありますが、インプラント手術を実施している歯科医院は、全体の16.8%にあたる約11,000施設ということです。
このページでは、たくさんある歯科医院の中から、あなたに合った歯科医院を選ぶために、インプラント治療のチェックポイントをご紹介します。
ポイント1 相談しやすい歯科医院
インプラント治療は緊急性がありません。早く治療することのメリットはありますが、理解・納得が進んでいない状態で、急いで歯科医院選びを決断する必要はありません。担当の医師やスタッフと相談が気軽にできる相談しやすい医院を選びましょう。
ポイント2 インプラントのメリット・デメリットを説明してくれる
残存する歯に負担をかけない、悪い影響を与えないという意味では、インプラントはたいへん優れた治療方法です。ですが、どんな治療方法にも、メリットとデメリットがあります。これらをきちんと話し、患者様の立場を理解し、選択肢を与えてくれるかが、よい医師を見分けるポイントです。
ポイント3 インプラント以外の治療方法についても教えてくれる
失った歯を補うという場合、義歯(入れ歯)、ブリッジというインプラント以外の治療方法もあります。 それぞれの治療方法のメリット、デメリットを知った上で、長期的な観点で快適に暮らしていける治療法を選択することが大切です。全身疾患がある場合には、インプラント治療が困難な場合もあります。
義歯にも色々なタイプがあります。当院ではパーシャルパラレルミリグ義歯の様な審美的にも機能的にも優れた義歯により咬めて食べられる喜びを取り戻した患者様が何人もおられます
ポイント4 インプラントにかかる費用・保証を明確に教えてくれる
インプラントにかかる費用は、大きく分けますと診察+埋入手術代+上部構造代(人工の歯)+定期メインテナンス費用です。見積にわかりにくい専門用語や不明な点、その他にかかる可能性のある費用がないかを、わかりやすく明確に説明してくれる医院を選びましょう。
また保証についても、どのような場合、どこまでの保証がついているかを豊富な症例から説明していただきましょう。
当院での保証は
インプラント本体
手術後から | 負担の割合 |
---|---|
5年以内 | 100%医院負担 |
5~6年 | 60%医院負担 |
6~7年 | 50%医院負担 |
7~8年 | 40%医院負担 |
8~9年 | 30%医院負担 |
9~10年 | 20%医院負担 |
10年以上 | 100%患者様負担とさせていただきます。 |
上部構造
手術後から | 負担の割合 |
---|---|
1年以内 | 100%医院負担 |
1~2年 | 80%医院負担 |
2~3年 | 60%医院負担 |
3~4年 | 40%医院負担 |
4~5年 | 20%医院負担 |
5年以上 | 100%患者様負担とさせていただきます。 |
ポイント5 術後のメインテナンス
インプラントを長く維持していく上で、術後のメインテナンス(プラークコントロール・定期検診)は、とても重要です。お口の中を清潔に保ち、定期的なメンテナンスを受けないと、インプラント歯周炎になり、せっかく入れたインプラントが脱落することもあります。
歯科衛生士が勤務しているメンテナンス重視型の歯科医院をお選びになることをお薦めいたします。
ポイント6 信頼できるインプラントメーカーを使用している
厚生労働省が認可しているインプラント・システムは数多くあり、それ以上に日本で使われているインプラントは、輸入品を含めてたくさんあります。
粗悪なメーカーや生産中止になるようなメーカーは問題外ですが、各メーカーには、それぞれ良い面があるのも事実です。世界シェアの高い海外製、日本製でシェアの高いもの、日本人の顎の骨の細さに合ったものなど多数あるメーカー中で、なぜ、その医院がそのインプラントを使用しているかを知ることは医院選びのポイントになります。
ポイント7 衛生管理・院内感染(滅菌)対策
歯科治療は、インプラントにみならず出血を伴うことから、HIVをはじめB型肝炎、C型肝炎などの感染性の病気が、病院内で他の患者様に感染してしまうことは絶対に防ぐ必要があります。
使い捨てにできるものは、使い捨てにし、お口の中に入る様々な器具は、患者様毎に交換し滅菌(菌がいない状態に)する必要があります。インプラント手術のための専用オペ室をアピールしている医院もありますが、細菌の量に変化がなく必須項目ではありません。ポイントは、滅菌を行うオペレーションの確実性と治療のスピード(手際の良さ)です。
ポイント8 医師の技量 経験
インプラント治療は、製造メーカーなどが開く講習会にて1日研修を受けた歯科医ならば誰もが出来ます。ですが安全にインプラント治療を行うためには、高い技術と豊富な経験、高い専門知識が必要となります。
専門医や認定医、指導医などの資格は数多くありますが、認定する学会の大きさや信頼性、歴史、その資格を取得する難易度などを調べることによって、実力のある歯科医師を探すことをお薦めします
ポイント9 総合的な治療体制の充実
単にインプラントを入れるというだけではなく、安全に長期にわたって美しく良い状態でインプラントを入れたお口を維持していくためには、歯科の総合力が問われます。
歯を無くした原因を調べ改善していくこと、術前の治療計画、インプラント周囲炎の予防、上部構造(人工歯・補綴(ほてつ))物の形状と噛み合わせ(咬合・かみあわせ)の調整、顎関節のスムーズな動き、歯ぐきの形状や歯並びなどの仕上がりの美しさ、すべてにおいて高度な技術をもつ総合的な歯科医院を選びましょう。
ポイント10 歯科用CT
レントゲン写真で得られる情報量には限界があります。より安全にインプラント治療を行うためには、治療する歯の周りの骨の状態を3D(三次元)の立体画像で知ることは、とても大切です。
CTで得られた情報によって、骨の立体的な形態や、血管・神経の位置を把握するほか、骨密度などもわかります。治療を行う前だけはなく、手術中、手術後においても歯科用CTの画像を確認し、安全性を高める努力を怠らない医院を選びましょう。
ポイント11 造骨技術(骨の量が足りない場合の適応力)
インプラント手術は、あごの骨にインプラントを入れ固定するため、土台となる骨が少ない場合は、そのままでは手術を行うことが出来ません。
最新の技術では、骨が痩せ十分な骨量がなくとも骨を造る(造骨)口腔外科処置が可能となっています。GBR・サイナスリフト・ソケットリフトなどが出来る歯科医院に相談しましょう。